酒井さんは本当に観察力が鋭い。そもそも作家になる人はそうなのかもしれないが
特に彼女は冷静に観察し、ユーモアと愛情を持って接していると感じる。
そして彼女とは年齢も近いのでその世代感がや時代感など
やたらと中年あるあるがいっぱいで、身につまされる。
中年マナーブックと言っていいくらい。
中年のみなさんはこれを読んでわが身を振り返ってほしいところ。
美魔女ブームなどについても書いているが、いきすぎな若返り信仰に
関して、ただ批判をするのでなく、「人生に欠落感がある人ほど
激しく老化に抗うのではないだろうか」と冷静に判断。
家族の愛情に恵まれ人生に満足し、そのままで受け入れられて
いる人は無理に若作りしなくても「安心して老けてられる」
安心して老けられる人は真に幸福な人と言えるというのは
本当に真実だと思う。
おせっかいなおばさんに関しての記述も読んでいて心が
温まる。私も常々世の中で一番親切なのはおばさんと思っていたが
それを裏付ける内容で、持論をより固く肯定できた。
この本を読んで酒井さんこそ一番常識的でまっとうな大人だと感じる。
そして真剣な話題や辛いこともユーモアを忘れずいつも感心。