三谷文楽 「其礼成心中」 パルコ劇場 

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本日千穐楽だった三谷文楽を見に行く。前売りを買いそびれ、当日券待ちで行ったが
無事に買うことができしかも真ん中のいい席だった。ラッキー。
 
まずは三谷そっくりの文楽人形がでてきて挨拶(前説?)してから開幕する。
義太夫は舞台中央上部におり、そこに照明があたるとぽっと浮いているように
見え新鮮だ。
 
近松の「曽根崎心中」が流行ったおかげで心中が増え、めっきり一般のお客が減り
商売あがったりで困っている近所の饅頭屋夫婦が、心中カップル目当てで
人生相談を始めたら大流行になり、儲かるようになった。ところが
その後また近松が「心中天網島」を発表し、それのあやかり商売にすっかり
客を奪われ、落ちぶれて借金も増えていく饅頭屋。
彼らの翻弄されるさまをコメディタッチで描いている。
 
セリフが関西弁なのだが、現代語でわかりやすい。
セットも美しく凝っていて饅頭屋夫婦が川に飛び込み泳ぎもがくシーンなども
泳ぎっぷりもリアルだし、川を表す細長いセロファン?も本当に川のようだ。
饅頭屋の器量の悪い娘が恋を反対されじたばたする姿も普通の文楽では
見れないコミカルでしかもリアルで楽しい動きだった。
女房は堅実でしっかりもののよくできた女房で、おやじはすぐに調子に乗ってしまうが
いい夫婦だ。最後は予定調和のハッピーエンドなので見た後もいい気分で
帰れる。
 
カーテンコールがあり、花吹雪の中みんなで舞台にたって、義太夫たちも
手を振っていたりするのがなんとも不思議な感じだった。
2時間休憩なしだったが、長さは気にならず、またこんな風に新作の文楽
手掛けてほしいと思った。