「有元利夫展 天空の音楽」 東京都庭園美術館

彼の絵は中世イタリア的だが、現代的なので、最近の人かと思ったら
なんと没後25年、そして彼は38歳という若さで世を去っていたと知り二度びっくり。
宮本輝の本の表紙を飾ったりしているから現代の人だと思っていた。


庭園美術館は建物が美しくアートなので、二度おいしい。
どの絵もとても美しく、人間が動いているシーンでもとても静的だ。
彼の絵に描かれている人間達よりも、生花の絵のほうが妙に生々しくどきりとする。


雲があちこちに描かれているが、どれも3角形に尖っていて
鳥のようにみえたり、イルカに見えたりする。
どの絵もずっと見ていたくなるようなノスタルジーを感じる。


どの美術館でもある、何に何の画材を使って描いたなどと表記されるのだが
この有元展にはいっさいなかったので、フレスコ画のような絵の数々が
実際には何に描かれていたのか疑問のままだった。


「天空の音楽」という題名のついて美術展だったが、それがぴったりの展覧会だった。
実に満足度の高い展覧会で、とても楽しめた。
三番町小川美術館から借りたものがほとんどだったようだが、
そこは有元利夫の作品を集めた美術館なのだろうか


目黒駅から庭園美術館まで歩いたのだが、普段行きなれないところに来ると
旅行に来たみたいな気分になれて嬉しい。