「絵を見る技術 名画の構造を読み解く」 秋田麻早子

 

絵を見る技術 名画の構造を読み解く

絵を見る技術 名画の構造を読み解く

 

 絵の見方を技術的に教えてくれる本。

具体的なテクニックが色々あるのだが

自分的にはフォーカルポイントをまず探すということは

今後もまずは気をつけようと思った。

フォーカルポイントとは絵の主役、色が目立つ、

他と比べて大きい、中心にあるなどなど。

特に明暗の差が激しいところで

線が集まっているところ。

 

もう一つ興味を持ったのが色について。

赤、青、黄が三原色で似ていない色同士。

お互い引き立て合う色は正反対の色で補色といい

青:橙、赤:緑,黄:紫の組み合わせだ。

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これは勉強になった。

 

他にもビジュアルリテラシーが上がるテクがたくさん

あるのだが今回はなんとなく流れを知った程度で

よしとしよう。

 

 

 

映画「私は、マリア・カラス」

 

私は、マリア・カラス [DVD]

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  • 発売日: 2020/06/03
  • メディア: DVD
 

 WOWOWで見る。

たくさんの彼女の当時のインタビュー、舞台など映像が見られる。

いつでもメイクバッチリでファッショナブル。

アリアもよく流れ美しい。

意外にも彼女はニューヨーク生まれ育ちらしい。

オナシスとの仲についても描かれている。

ジャクリーンとの結婚も青天の霹靂だったようでそれも驚く。

 

彼女は53歳で亡くなったから若かった。

バリの自宅というが彼女はフランス語も英語も達者でマルチリンガルだ。

 

晩年は歌がうまく歌えず苦労していたようだ。

復帰に向けて練習していたところで亡くなった。

暗い感じになるがエンドクレジットではジャンニ・スキッキの

「私のお父さん」を舞台で歌う彼女で終わるのでほんのりあかるくなる。

「アンジュと頭獅王」 吉田修一

 

アンジュと頭獅王

アンジュと頭獅王

 

 

安寿と逗子王の話を下書きに現代まで転生していく

2人のファンタジー

すごくうまくまとめあげている。

この切ない話を勧善懲悪に則りめでたしめでたしで

締める。

最後は涙で字が滲んでしまった。

映画「ダメージ」

 

ダメージ [DVD]

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  • 発売日: 2006/08/26
  • メディア: DVD
 

 

以前見たのだが今回WOWOWで放送があり興味を持った。

ジェレミー・アイアンズが政府高官のエリートで

息子の恋人であるジュリエット・ビノシュに恋をして

人生が狂っていく話。

 

とにかくジェレミーのファッションがかっこいい。

ドレッシーで美しくしかも手足も首も長い彼に

いちいち似合う。

おうちでワインを開けるのもナイフを使ってかっこいい。

奥さんはいつもソファに横になって新聞を読んでいる印象。

 

ジェレミーの息子役がルパート・グレイブスだった。

まだ若い彼。

 

ジュリエット・ビノシュはたいして美人でもないのに

ファムファタール感が半端ない。

すごく辛い過去の恋愛をもっているのも似合う。

スタイルもモデル体系でないのに大人ぽいコートの

着こなしやらおしゃれだ。

彼女は白い肌にいつも上気しているような頬の赤み

つぶらな瞳が真っ直ぐに見据える様子と

母親のような抱擁感もこんなにモテる理由なのかも。

 

最後の顛末もすっかり忘れていた。

前回見た時よりも楽しめたと思う。

 

ルイ・マルの映画だったが、

最後の最後 あんなに熱があったのに冷静に彼女を

見かけたことを回想するジェレミー

むしろしたたかなジュリエットを感じフランス映画らしい。

 

ニンゲン御破算

wowowで見る。

お囃子の姉さん達がかっこいい。

 

荒川良々は声があまり通らないから大森南朋かと思ってしまった。

最後に歌舞伎の衣装の良々がまあ似合ってる。

あの体型と顔つきは歌舞伎だとしっくりなんだな。

 

 

「そして、バトンは渡された」 瀬尾まいこ

 

【2019年本屋大賞 大賞】そして、バトンは渡された

【2019年本屋大賞 大賞】そして、バトンは渡された

  • 作者:瀬尾まいこ
  • 発売日: 2018/02/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

父親3人、母親が2人いる優子。

次々と環境が変わっても素直にしなやかに生きていく彼女と

彼女に愛情をたっぷりと注ぐ親たちの物語。

 

瀬尾さんの話はみんなが心優しい人たちで

読んでいると心が洗われる気がする。

ボロアパートの大家のおばあちゃんとも仲良くなり

孫のように彼女の懐に入り愛される優子。

彼女とのやりとりも読んでいると涙がじんわり湧いてくる。

 

優子の人生で鍵を握る梨花は2人目のお母さんだが

母親というより、姉妹のような関係で

でも彼女を深く愛してくれていただけに

途中でいなくなった時には戸惑ったけど

最後で理由が明かされる。

実のお父さんと連絡がつかなかったのは

もしかして亡くなっているのではと思ったが

それも最後にわかる。

 

最後のお父さんの森宮さんはなんだか抜けていて

いいキャラだ。横柄なしゃべり方はせず

お友達や兄弟のよう。

これも映画化で見てみたい。

影裏 

 

【第157回 芥川賞受賞作】影裏

【第157回 芥川賞受賞作】影裏

  • 作者:沼田 真佑
  • 発売日: 2017/07/28
  • メディア: 単行本
 

 

映画を見てから再度原作を読む。

最初に読んだ時には感じなかった風景の描写がふくよかで

美しく、描きこみすぎない感情の動きも

読んでいて心地よく感じたし、終わり方も余韻があってよかった。