予告の裸の背中だけでドキッとしていたが本編では
部屋にいる時の主人公今野がパンイチのことが多いせいか
やたら官能的。そういう撮り方をしているのかもしれないが。
大友監督が官能性のことを雑誌か何かで話していたが
こんな絵は大友監督には珍しい。
今野の日浅への喋り方が妙に甘いので見ていて照れ臭い。
龍平は果てのないような黒目の奥に惹きつけられる。
原作を読んでいた時は釣りのシーンは夜釣りのイメージだったが
今作では明るい光溢れる美しい昼の渓流だった。
事件らしいことも起こらず、でも今野が日浅に傷つけられるところでは
一緒に自分も悲しくなるくらい、今野の気持ちに寄り添ってしまう。
最後の終わり方は原作と違うような。
あれはあれで安心だけど必要だったかと言えば若干疑問に感じたが。
綾野剛はいたいけな子供のような表情の時があり驚くほどだし
中村倫也はハグシーンで母性を感じるような安らかさ。
原作では彼との関係でしばらく悩むシーンがあった気がするが
映画ではさくっと。
脇役陣もとても豪華。
綾野剛が東北の夏のような頼りなさと儚い美しさを体現。