「すぐ死ぬんだから」 内館牧子

 

すぐ死ぬんだから

すぐ死ぬんだから

 

 主人公は後期高齢者の女性。

老人は自然体でいるとだんだん見苦しくなってくるので

身なりに最大限気を使い外見をきれいにするべきという方針。

そして高齢者用ファッション雑誌のスナップに出るくらいの

おしゃれな女性で気を張って生きている。

彼女の周りに対する心の声があまりに辛辣で驚くが

年を取ったらどう生きていくのかということを

知ることができたのでそれも有益だ。

ババ臭さは伝染する、残暑が厳しくても9月になったら白は着ないなど

何かと厳しいがためになる。

 

人は誰でもあと何歳若かったらと思ってしまうが

彼女も65歳だったらこれもあれもよかったのにと

言っているので、これから65を迎える私は

勇気を持てる。

 

自分を磨きつつ夫との穏やかな日々を送る主人公は

突然の夫の死、その後分かった彼の愛人騒動で

すっかり生活が様変わりするが最後は前向きに終わるので

読後感もいい。