「なかなか暮れない夏の夕暮れ」 江國香織

 

なかなか暮れない夏の夕暮れ

なかなか暮れない夏の夕暮れ

 

 すごく実験的な小説だ。

主人公は日がな本ばかり読んでいる資産家だけど普通の男性。

彼が読んでいる本の物語が綴られ、彼が現実に引き戻されるタイミングで

唐突にお話が中断されるの、一緒に現実に戻る気分が味わえる。

特別な事件が起こるわけでもなく、彼の周りのちょっと変わった人々の日常が

淡々と描かれ、淡々と終わる。