遠藤周作の原作をマーチン・スコセッシが映画化をした作品だが、
上映が2時間半以上の長いものなので、劇場で見ないと時間がむしろ
取れないだろうと見に行ってみた。
なんといっても窪塚洋介がどんな演技をしているのか興味を持ったのだが
凄く鮮烈で印象に残った。
まずマカオで宣教師たちと初めて会うシーンでは汚い容姿ながら顔の美しさが
垣間見れるような様子にはっとした。
なんともコズルい人間でそのあっけらかんとした様子にむしろ憎めない。
全体的に薄汚い色を画面が覆うのだが、その中で小ぎれいな恰好の
浅野忠信がよけいいい男に見える。
塚本晋也が真摯に宗教を全うする信者なのだがすごくいい。
イッセイ尾形も悪代官ぶりがすごい。(そして英語がなぜか上手)
それにしてもこんな拷問にあっていたのかと目を覆いたくなるシーンが多い。
宣教師たちの心情やその後の人生を見ても心が痛い。
ずっとつらいシーンが続くのだが、長いとはあまり感じなかった。
そんな中片桐はいりが告解をするシーンがちょっとだけユーモラスで
唯一のクスリとできる場面だった気がするが、彼女のユーモアは
世界レベルと思う。
窪塚君は今後も引き続き活躍してほしい。
キレイな役でも見てみたい。