戦後の沖縄に配属されてきた若き精神科医が沖縄の画家たちと
交流する話なのだが、重くて暗そうなテーマに最初は興味がわかなかったが
友人に薦められて読んでみることにした。
沖縄の現実や闇に胸が苦しくなるが、主人公の青年エドは育ちがよく
友人で心優しいアランとともにアメリカの良心といった感じ。
エドがストーリーテラーであるせいもあるが、アメリカでこの本が映画化されても
なんの違和感もないくらいだ。
やるせない現実に直面しながらも懸命にもがき精力的に生きる沖縄の貧しい画家たちと
それを支えるその家族。最後にとても悲しい出来事がおきてつらくなるが
それでも生きていかなくてはならない。
原田マハの言葉の選び方がとても素敵で好きになった。
`None of us was prepared to meet'
本の扉に書いてあるスタインバーグ氏の言葉がこれから始まる物語を
示唆していて心がざわつく。
スタインバーグ氏は沖縄に精神科医として勤務してニシムイ芸術村とも
交流したこの物語を書くきっかけとなった人とのころ。
原田マハの話は事実とフィクションが混じっていていつもどこまでが現実??って
なるのも面白い。