「ヒトの脳にはクセがある 動物行動学的人間論」 小林朋道

 

ヒトの脳にはクセがある: 動物行動学的人間論 (新潮選書)

ヒトの脳にはクセがある: 動物行動学的人間論 (新潮選書)

 

 

 

ヒトの脳にはクセがある: 動物行動学的人間論 (新潮選書)

ヒトの脳にはクセがある: 動物行動学的人間論 (新潮選書)

 

 人間の考え方とか行動の謎を読むにつれ、最終的には人間は遺伝子の乗り物で

次の乗り物に移動するまで、遺伝子が生きていけるように

繰られているのだなと思う。

 

「涙は相手の攻撃性を低下させ庇護の思いを高める」そうだが、

涙は幼児が親のほどを求める際に発する信号であり、それを思い起こさせるから

ではないかとのこと。

相手の攻撃性を低下させ親愛の情を深める口づけも

親が子供に噛みほぐした食べ物を口移しで与える行動に起源をもつと

考える研究者も多いらしい。

 

「悪いことは単なる偶然で起こる確率以上に頻繁におこる」という

のはマーフィの法則でも表現しているが、人は過度に不安を感じるらしい。

悪い想定をして準備をするほうが、気にせずアクシデントに遭遇

するより怪我をしたり、命を失う機会が減り、人を守る。

 

無防備だった人はいなくなり、心配性の人の方が適応して生き残ってきた。

英語でもネガティブ感情を表現する言葉の方がポジティブ感情をあらわす

言葉よりも2倍以上多いらしい。

 

遺伝子は自分が生き延びるためには、母体の人間にも安全に長生きして

もらう必要があり、必然的に人間は注意深くなっているのだな。

だからやたらと悩んだり、悲観的なのは自分だけということではなく

人間の宿命なのだと思うと気が軽くなる?