下級武士から筆頭家老にまで上り詰めた勘一は非業の死をとげた
幼馴なじみ彦四朗の訃報を聞く。彼は文武両道でなにより性格がよく
欠点のない男だったが、すっかり落ちぶれはてて・・・
この話は私の好物な展開の話だった。
彦四朗は非の打ちどころがなく、性格もよく、誰からも一目置かれる。
勘一も優秀だったが、下級武士の子であり、さらに父親の死に方などのため
次々と難題が降りかかる。だが心が強く思ったことを突き通す力があり
努力も怠らずだんだんと日の目を浴びてくる。
彦四朗とともに順調に出世するかに見えたが、彦四朗は突然藩を逐電する。
きっと彦四朗の行動には裏があるのだろうと思わせる展開だが
案の定涙、涙の展開が待っている。
彦四朗の家で下女として働いていた美少女を勘一は妻として迎え
その後は幸せに暮らしていくのだが、もともと彦四朗と彼女の間にも
何かの情があったのではないか。
彼女の幸せのためにとことん裏で尽くしたのかと思ったが
そんなメロドラマではなかったのもよかった。
映画化されたら見てみたいな。
百田さんの作品はこれが初めてだったので、他も時代物なのかと思ったら
意外に商業作品らしいラインナップ。
興味を持ったので他も読んでみたい。