宮本輝の短編集で、何かの本のあらすじ紹介で興味を持った。
タイトルにもなっているの「星々の悲しみ」は、浪人生の3人の男子が知り合い
ふとしたことで喫茶店に飾ってある絵を盗む。
その絵には大きな木の下に帽子を顔に乗せて眠る少年が描いてあるが
妹にはその少年は死んでいるように見えるという。
死から一番遠い存在であるはずの少年たちに意外に身近にあった影。
友人や妹の淡い恋やキーとなる絵画を絡めて淡々と静かに描く。
受験なのに図書館で本ばかり読む「ボク」と友人の美醜のデコボココンビ、
あかるい青春と妙に心惹かれる絵、その後の顛末となかなか映像にしても
いいようなお話だ。
この本のお話はどれも少なからず死に関連ついていて不思議な余韻を残すものが多い。そしてどれも関西弁だった。