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「王城の護衛者」 司馬遼太郎

 

王城の護衛者 (講談社文庫 (し1-2))

王城の護衛者 (講談社文庫 (し1-2))

 

 幕末のお話しを集めた短編集。

タイトルの「王城の護衛者」は会津の殿の物語だが、「八重の桜」で

でてきたシーンも多く最近DVDを見直した私には面白い。

 

会津の殿の容姿は中性的で美しく、武者人形のように典雅な有様が

何かにつけて描かれる。また策謀の才がなく、権謀術数に長けた薩摩と

対照的と強調される。

大河では綾野剛が容保を演じていたが、彼は自分でも時々

「能面のような平らな顔」と言っているが、先日テレビの女装男子の特集で

メイクさんが「女性のメイクは立体的に見せるようにするが、男性は顔が立体的なのでむしろそれを消すことで女性に近づく」と解説していた。

中性的な人というのは顔が平らなのか!と妙に納得。

 

若く生真面目で華奢な中将が鬼の守護職と恐れられるようになるのも

激動の幕末に生きるめぐり合わせで、平和な時代だったら学者にでもなって

穏やかに生きたに違いない。

 

孝明帝の寵愛やいちいち目を潤ませ震える中将というのは大河のようだったが

唯一、孝明帝が巨漢というのがドラマと違った。染五郎だったもんね。

 

ご宸翰を晩年の容保が肌身離さず持っていたという逸話に関して

ドラマでは山川兄弟に託したが、この本では東京銀行の金庫に現在もあると

とじられ、遠い物語が急に現実のものとして迫ってきてハッとする。

うまい終わり方だな~。

 

他の短編は時間がなくて読めていないまま図書館に返却となってしまったが、

また時間を見つけて続きを読んでみたい。