野島伸司脚本でオリンピックで金メダルを取ることを天命とする一族、
その中心にいる女性を天海祐希が主演で描く。
主人公の女性はお金持ちで美人で、気も強く完璧な人生にみえるが
兄が自殺したり、小さなころに強盗に押し入られお手伝いさんが目の前で
殺されたり、息子は重大な病気だったりとかなりな波乱万丈人生だが
周りのひと達に支えられながらまっすぐに強く進んでいく。
始めは完璧に見える女性だが、秘書のリカ(長澤まさみ)とのやりとりが進んでくるとコミカルな面が見え始めてとても面白い。
彼女の夫は元オリンピック金メダリストで今はすっかりクズ男の寺島進。
彼も噛むほどに味わいが増し、どうして彼女が分かれたがらないのかが
よくわかるある意味包容力のある魅力的な男性に描かれている。
そして幼馴染で仕事のパートナーの反町隆史も完璧なかっこよさ。
彼は老けないな~。
でも私の興味は綾野剛扮するカメラマン。
実は彼は主人公悠里の死んだ兄の隠し子だったという秘密があったのだが、
物語ではDNA鑑定の結果違っていたと本人は知らされそのつもりで
悠里達のもとから消えるのだが彼も何が目的で近づいてきているのか
わからないようなクズ男と思われたが、そこここに兄の遺伝子を感じさせる
雰囲気をだし、悠里の心を揺さぶる。
彼の父親はやくざで母親を廃人同様にしてしまったようなクズで、
自分はそんな男の子供ではないのではないかとそれだけを希望の種に
生きてきた青年役だったが、麗しくあそこで出番が終わってしまって悲しい。
あんなに早乙女家の血にこだわる一家なのに、兄の血を本当に引く彼を
あっさり手放すというのが物語的には不思議だった。
話としては面白かったが、その点が残念だった。