この本をなんで読もうとおもったのか、佐藤優の本にお勧めと載っていたのだろうか?
終戦の頃の日本で、身分を隠して諜報活動をしていたさる高貴な方と
彼の手伝いをするはめになった青年外交官の話だが、ちょいちょい実在の人物
(吉田茂とか次郎とか他にもたくさん)がでてきて絡むので、どの程度
フィクションなのかと悩みながらも、この謎の諜報員が恐ろしく優秀で
スパイ映画のようなので読んでいて痛快だ。こんな優秀な人が現在の日本にも
いたらなと思わずにいられない。とにかく観察力が鋭く、いろいろな物事を
見極める能力が高く、そのさまは現在BBCでやっているドラマのホームズを
彷彿とさせる。
ところでユダヤ人を救った杉原千畝氏は諜報の腕もぴか一だったというのも驚き。
彼は現地社会に深く入り込んでいたらしいので現場からいかに情報を
ゲットできるかということなのね。