「ウルフ・オブ・ウォールストリート」

スコセッシ監督とディカプリオが実在の株式ブローカーの半生を描く。

 

ディカプリオ演じるジョーダンははじめは常識のある普通の青年だったが、

巧みな話術と斬新なアイデアでのし上がっていく。

狂乱の日々ぶりがすごい。強い緊張の続くブローカーの仕事をこなしていくには

頭の切り替えが必要で、そのために薬やセックスに没頭していくのだが、

それだけ強い刺激で相殺しないと心のバランスが保てず自殺してしまったり

するのだろう。

 

若かりし頃に結婚していた最初の妻はとても聡明でいい奥さんだった。経済的に

成功したジョーダンはいわゆるトロフィーワイフと再婚し、こちらは

ただセクシーな女性かと思ったが、子供ができるとごくまっとうな女性になり、

母になると常識的になるのだなと改めて思う。

 

新人時代に彼に仕事のノウハウを教えるぶっとんでる上司が自分たちは「何も

売らない商売」と言っていてそれが大金を生む、だからこそ大金を生むのかも。

彼がその場で胸をたたきながら歌を口ずさんでいたのだが、あの歌は

アメリカでは有名な歌なのだろうか?

 

ジョーダンが自分のペンを相手に差出し、このペンを自分に売りつけてみろと言う

シーンがある。そもそも相手の持ち物を売るなんて不可能だし、言われた人は

みんな「とてもいいペンで~」とか「価値がある素晴らしいペンです」などと

言ったりするのだが、その中で「この紙にサインをしろ」と言って

ペンがないジョーダンにそれを買い戻さなければならない状況を作った男は

やはり最初からセールスの才能が違っていたのだと最後に確認するようなシーンが

印象的だった。