歌舞伎系twitterなどで書評を見かけては読んでみたいと思っていた。
人間中村屋のエピソードがたくさんあり楽しい。
最近、勘三郎関連ばかり読んでいるが彼は人間的魅力にあふれた人だったと
再確認できる。それに付随して仁左衛門さんエピソードもちょいちょい入っていて
嬉しい。
勘太郎や七之助が小さな時にウルトラマンごっこをして遊んであげていたが
「ウルトラマンのおじちゃん、悪い薬でも飲んだのかな?」と心配していたというのもかわいい。
歌舞伎座の改築で閉まる間際に二人で飲んでいて、夜中に写真を撮ろうと出かけたら
当日券待ちの人びとが大勢いて感激して泣いてしまったニザさん、それを茶化しなが
ら自分も泣いてしまった勘三郎というのも小さいけど映画のようなエピソードだ。
観客と劇場が変われば演じ方を変えてやっていたという仁左衛門さんのエピソードも
中村座の親しみやすい感じを満喫できる。普段見えないところまで見えてしまう席が
あるそうで、そこでもきちんとお芝居を続けていることにも著者は感激していた。
やはりまだまだ見たかった、勘三郎と仁左衛門、玉三郎の競演を。