秀太郎はブログも頻繁に更新していて文を書くのが好きなのだろう。
この本を読んでいるといかに秀太郎が父仁左衛門を敬愛していたか、
そしてその父がいかに尊敬できる立派で優しい父親だったか、
父を中心とする片岡家が貧しく歌舞伎興行的に恵まれなくても
いかにみんなで一致団結して暖かい家庭で生きてきたかが
これでもかと語られ読んでいても暖かい気持ちになる。
孝夫さんの本でも語られていたが、13代目は性格も穏やかで人間的にも
本当に偉大な人だったのだと再確認する。
私の大好きな孝夫さんのエピソードも時々でていくるのがうれしい。
関西歌舞伎が低迷してみんなの苦労がいろいろと語られており
それでもがんばって復興しようとする秀太郎や周りの人々の話も読んでいて
胸があつくなるが、現在はすっかりと売れっ子になった愛之助が
もっと若いころに謙虚で殊勝なことを言っていて彼も苦労をしているのだと
再確認し、今後もその気持ちを忘れないでほしいと余計なおせっかいで
思ったりした。
13代目と孝夫さんが似ているとは今まで思ったことはなかったが
仁左衛門歌舞伎で長町裏の團七九郎兵衛を演じた写真はかなり若い頃の
ものだろうが、孝夫さんかと思うくらいそっくりでやはり親子だ。
それにしても片岡家は性格が穏やかでおっとりとした人が多いようで
いいな~。
意外に関西の方が実力主義で次を継がせるのに芸養子をもらうことが多く
東京では血統主義という。関西の方が伝統とか血を重んじそうだが、歴史が
ある方が考え方が柔軟なのかもしれない。