内田樹は名前は知っていても著書を読んだことはなかったが
テレビの対談番組で見てからなんだか興味がでてきて手に取ってみた。
この本も内田のファンという岡田との対談で進んでいく。
昔はサザエさんなどでもあるように一人4人分を食べさせていたりしたが
現在は違ってきている。新聞にも載っていたが、以前は一人で4人くらいは
食べさせて行けたが現在の環境では2人くらいになっているようだ。
子供がペットを育てて自分を確立するように、弟や妹の面倒を見て
自分を確立するように、自分より弱い、養う人間がいてはじめて自分を
確立するものだ。「人間は強いものに導かれてではなく、弱いものをかばうことで
しか強くなれない」だから人の役に立つというのは自分のためでもあるんだ
よな。
「敬意は感染力が強い」ひとりでも先生を尊敬する子がいると敬意はクラスの
中にじわじわと広がっていくという。確かに誰かがいいというといい気になる。
危機的状況を乗り越えるにために正しい選択をするにはどういう能力がいるかと
聞かれた時、その状況に陥ることがすでに手遅れで、
そんな状況に陥る前の選択の場面でことごとく間違った選択をしているという。
無数の「こっちに行かないほうがいいよ」というシグナルを全部読み落した結果
が究極の選択に導かれているので自分のせいというのは読んでいて身に染みる。
岡田の学校の女生徒はほとんどが学内で恋愛しているという。
「男なんてみんな同じ」というのは若い女の子にはなかなか理解できないが、
どんな男だって一緒に暮して時間がたてばだんだんとおなじようなものに
なってくる、だからぶっちゃけ家が近いひとと恋愛したらと内田も
思っているらしい。そういう意味では女の子が金持ちが好きとか、背が高い方が
いいとか条件面を言ってくるのはある意味正解ってことで。