「女装する女」 湯山玲子

女装する女 (新潮新書)

女装する女 (新潮新書)


女性がばっちりと女性らしい恰好を装うのは戦略上必要な時に
女装しているというのは、確かになるほどと思うし、昔からあっただろう考え方だと思うが今ほど割り切っていなかったのだろう。

スピリチュアル、和風のおけいこ事、デイリーエクセサイズ、エコ、ロハス、友達親子、ブログで自己表現など現代女性の興味を持っていることなどから読み解く女性論なのだが面白く鋭い。

著者が同年代なのかいちいち懐かしいことが書いてある。
女性たちは「大人の女」に憧れるものだが、白洲正子はその究極の存在で、ほかにも、岸恵子や須賀敦子なども入っている。
その辺はなるほどと思うが、昔は小林麻美が大人女の代表で女子のあこがれだった。懐かし〜!!

各章ごとにある扉絵のイラストとセリフがいちいち面白い。
「ノスタルジー・ニッポンに遊ぶ女」の章では、うらぶれた飲み屋で日本酒飲みながら「懐かしいよね(生まれてなかったけど)」とあったり、「和風の女」では「メリハリのない顔を体を武器にしています・・」と浴衣でしなを作る女性が。

石を用いたヒーリングを行うお店で、電磁波抜きのためのトルマリンのネックレスがflight attendantに売れているとか、ベンチャーの経営者たちは10万以上の水晶をよく買っていくなどとあったが、効くのだろうか?とスピリチュアルな私。

先進国では男女の差がどんどんと縮まっており、女性的な価値観がスタンダードになりつつあるという。家庭料理、自分磨き、ファッションなどどんどんと男性は女性の領分に進出しており、最近は男性の得意の手料理で女性が虜になったり、糠味噌をつけたりをごく普通の男性がしたりしているという。そして日本の若い男性は世界一おしゃれと著者の外国人の友人は言ったという。かの国ではガールフレンドや自分で髪をきるのが当たり前で、そんなにリッチでもない若い男の子がヘアサロンにふつうに行っているのが不思議らしい。そんなもんか。