「役者は勘九郎 中村屋三代」 関容子

 

役者は勘九郎―中村屋三代 (文春文庫)

役者は勘九郎―中村屋三代 (文春文庫)

 

以前よく歌舞伎を見ていた時には、勘九郎で、孝夫で、八十助だった。

その後間が空いていたので、なかなか仁左衛門三津五郎という名前にピンと

来なかったものの、また歌舞伎に通いだし今ではすっかりしっくりくるようになった。

でも勘九郎だけが、まだ勘九郎だ。勘三郎と言われて確かに彼を思うものの

私が歌舞伎座にまた通う直前に彼はなくなってしまったから。

この本では勘三郎、勘九郎、勘太郎が出てくる。でも勘三郎とあるとどの勘三郎かと

勘違いしそうになるくらいには慣れてきている。

読んでいると勘九郎がどんなにいい役者かわかる。そして歌舞伎界はみんな親戚かと

思うくらいいろいろつながっていると今更ながら知る。