以前よく歌舞伎を見ていた時には、勘九郎で、孝夫で、八十助だった。
その後間が空いていたので、なかなか仁左衛門、三津五郎という名前にピンと
来なかったものの、また歌舞伎に通いだし今ではすっかりしっくりくるようになった。
でも勘九郎だけが、まだ勘九郎だ。勘三郎と言われて確かに彼を思うものの
私が歌舞伎座にまた通う直前に彼はなくなってしまったから。
この本では勘三郎、勘九郎、勘太郎が出てくる。でも勘三郎とあるとどの勘三郎かと
勘違いしそうになるくらいには慣れてきている。
読んでいると勘九郎がどんなにいい役者かわかる。そして歌舞伎界はみんな親戚かと
思うくらいいろいろつながっていると今更ながら知る。