- 作者: 宮辻政夫
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 1999/09/01
- メディア: 単行本
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仁左衛門さんのことが知りたくて読んでみることにした。
ニザさんの子供の頃から襲名までをざっと知ることができる。
襲名の頃は歌舞伎に行かなくなっていたのでとても惜しいことをしたと思う。
うっすらとテレビで襲名の特番を見たことや、病後の状態を週刊誌で読んだことを
思い出したが、闘病生活は本当に壮絶でよく耐えることができたと感心する。
思った以上のご苦労だったのだな。精神的にも耐えられない状態が続いていたのだから
よくぞと思う。そのおかげで今、仁左衛門さんを歌舞伎で見ることができるのだ。
若いころや子供の頃の写真もあるがカッコ良い。
秀太郎と仲がいいのがちょっと意外だった。若いころは一緒によく遊びに
女の子たちと出かけたり、病気の時も来てくれていたり。
守田勘弥には息子のように可愛がられていたり(そして勘弥が短気で、ニザパパがおっとりというのも意外だった)、勘三郎にもかわいがられていたというのも
なんだか読んでいてうれしかった。
玉三郎とのエピソードで、楽屋で「刺しっこしている」という。
お互いの舞台について批評をするそうだが、孝夫さんは遠慮をしているようだが
玉三郎はできが悪いとずばずばと斬る。孝夫さんができが悪くしょぼんとして
「ぼくなあ、芝居、下手やねん」というと「ほんまやな、下手やなあ」と
わざと関西弁で言ったりするらしい。かわいい。
十三代目に「孝夫ちゃん」と呼ばれているようなのも萌える。お父さんには黙って入院している年に、新年のあいさつ電話をしてこないのを
不審に思い、「孝夫ちゃん、おめでとうさん、したか。電話かかって来い
へんかったなあ」と言ったという話があったり。
勘九郎とのエピソードも萌える。
面会もできない状態の時、勘九郎が
「面会ができるようになったら、お願いですから、ぼくを一番に会わせて
ください。お兄さんに一番に会いたい。会わせてください。お願い、お願い」
なんてかわいいことを言うのだろう。
左團次とも仲がいいようで、復帰の日に真紅のバラを抱えてやってきてくれた。
左團次と言えば、先日のテレビでSM好きと言っていたが、お友達を
夜のお店によく誘ったりしているようだが、孝夫さんも誘われたことが
あるのかしら?
めっきり孝太郎とばかりコンビを組んでいるが、やはり玉三郎とやってほしいな。
歌舞伎界は縁起を担ぐという。病気をした仁左衛門さんと玉三郎が
あまりやりたがらないのか、ニザさんが孝太郎を使いたいのかわからないが
ぜひニザ玉で今後も頻繁に舞台を見たいな。
二人になるとよりパワーアップするし。