「クリエイティブ喧嘩術」 大友啓史

クリエイティブ喧嘩術 (NHK出版新書 408)

クリエイティブ喧嘩術 (NHK出版新書 408)

もとNHKのディレクターの大友さんのこれまでの作品をからめたエッセイ。

 

ハリウッドの留学していた時に映画は公開するまえに

「リクルーテッド試写」という一般試写を数回繰り返し、その時に意見をもらい

手を入れていき最終的に完成させるという。

一般人の目に触れさせ、より現場のニーズに近いものにするというのは

ヒットの作り方に慣れたハリウッドという感じがする。

 

朋ちゃんの話も書いてある。彼のことを「ニュートラルに物事を見つめることが

できる」とあり納得。「ハゲタカ」に出るのに欲望にまみれた生々しい金融の

世界を描くのにその対極にあるようにハングリーな感じのしない彼は

どうかと思われるかもしれなが、彼の存在感や個性が

大きな命を作品に与えたとあった。クールなドラマが彼の演技で

エモーショナルなドラマになった。

大友さんの取り方は役者の任せる面も多いらしく、自然で思いがけないいい場面が

出てくるようだ。ちび龍馬が他の子どもが走って脱げそのままになっている

草履を揃えていたシーンも実は演出ではなく彼が勝手にやっていたという。

大友さんの作品は今後も楽しみだ。

 

鷲津さんをまた撮ってほしいけど。