「モンスターズクラブ」 ユーロスペース

爆弾魔のユナボマーがモチーフになっているらしい瑛太主演の映画。

雪深い山小屋に住み、爆弾をせっせと作っては時の権力者に
送りつけている青年。父の事業を継いだものの、若くして自殺した兄、
事故死した弟が、入れ代わり立ち代わり幻想のように現れる。
その中で唯一地に足を付け、生きている妹。

人気のない雪山の景色、雪のやむことのない風景が美しく
なんとなく日本海側なのかと思っていたが、ロケが最上とあったので
そのあたりで撮影したのだろう。
山小屋で文明からは離れた生活をしている瑛太だが、
むしろロハスでおしゃれな印象だ。

兄弟たちがお互いを名前で呼び合っているのがなんだか萌える。
そして窪塚君の手が美しいとまた同じ感想。
観念的で難しい映画だと思ったが、チラシを見直して
主人公の葛藤(世界への絶望と愛着)が描かれているのだ
とやっとわかった。

本編で宮沢賢治の詩がなんどかでてきており、重要なシーンだったり
するわけだが、今まで何かともてはやされ神聖化されている彼の作品には
なんの興味もなかった私だったが、俄然興味がわいてきて
読んでみたいと思えた。