- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/09/23
- メディア: 単行本
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グラスホッパーの殺し屋も再登場でもう一度読みかえさないと
割と忘れていている。
蜜柑と檸檬は、身代金誘拐された峰岸の息子を奪い返し
身代金も渡さずにすみ、依頼主峰岸に送り届けるべく新幹線に乗る。
その身代金をそうとは知らず、奪ってすぐに降りるという仕事を
請け負った七尾は、人生いつでも付いていなく予期せぬ出来事に
悩まされ続ける。簡単なはずの今回の仕事でもいろいろな邪魔が入り
一度は手に入れ、隠して置いたトランクがなぜか紛失。
一方、木村は天使の顔を持つ邪悪な中学生王子により
愛息がビルから突き落とされ今は生死の境目をさ迷っている。
中学生を始末するべく彼の乗る新幹線に乗車するが、
木村の思惑はお見通しの王子によってはめられてしまう。
簡単に人が殺された残虐なシーンも多々あるものの、
全体にほんわりとユーモラスなのは、七尾のキャラによる。
彼は何をやってもうまく行かないので、最近は不測の事態が起きても
「やっぱりな」と心の準備ができているので、がっかりしながらも冷静。
ある意味打たれ強いということか。
いつも悩み、愚痴をいい、情けないキャラながら、妙に腕っ節は強く
そうはみせないまま、突然確変する。
面白かったが、悪意の中学生王子がどうやって
みんなを心理的に支配していくのか
そのさまを聞いていると薄ら怖くなってくる。
現実の会社社会でも当てはまるなと思いながら読む。
謎の塾講師鈴木さんの話も読んでみたい。