「シューマンの指」 奥泉光

シューマンの指 (100周年書き下ろし)

シューマンの指 (100周年書き下ろし)


音大でピアノの勉強をしていて、今は医師になっている
里橋優は学生の頃、友人の堅一郎とシューマンのダビッド同盟を
真似て音楽について語りあい日記のようなものをやりとりしていた。
その仲間である修人は幼い頃から天才ピアニストとして
注目されており、その音楽の知識や考察に里橋は音楽の
師匠のように思っていた。
人前で演奏をしたがらない修人のピアノを聞いた頃は
3度しかない。その一度の演奏で魅了された里橋だったが
修人はある不幸な事故で指を切断されてしまった。

読んでいてあふれる音楽の知識に圧倒される。
シューマンのピアノ曲にはさほど関心なかったが
読みながら聞いてみたくなったが、自分のipodでは
あまり検索できず、もっと探せばCDで家にあると思うが
話題になっている曲をいちいち聴きながら読めたら最高だと思った。

最後の最後で里橋の妹の手紙が出てくるのだが
こんな話だったのかと少し混乱してしまった。
そして少し頭で整理する。

でも面白い本だった。