「上村松園展」 東京国立近代美術館

この美術館は上野ほど混まない印象があったが、やはり上村松園は混んでいた。
そして今日は金曜で夜まで開いていたので、そんな時はいつも空いているのに
私が帰る6時くらいにも切符売り場に列ができていた。
秋の夜長に芸術なのね、みなさん。


最近日曜美術館で山本容子が、松園の絵は線の太細の描き分けが絶妙で
それで素材の質感を表現していると言っていたのでその点に注目してみる。
やはり彼女の絵は着物の柄や飾りのかんざしなどの小物などがとてもおしゃれで綺麗だ。
日本画は影をつけたり立体的な手法は使っておらず、平坦なのになぜか奥行きがあり、
動きもありリアルだ。
無表情に見えるのに、微笑んでいたり、うつろだったり、いたずらっぽい瞳だったり
実は雄弁だったりすのが不思議だ。
細部もとても細かく描きこんでいて、見ていても楽しいし興味深い。
中国美人画などもあったが、やはり日本画のほうが魅力的だ。
絵を見ているとそのときの風俗が垣間見れるが、女性達の耳たぶ、頬、指先、つま先が
ほんのりと赤く染められていて、コレって昔は紅で耳たぶを染めていたのかな?
着物を着る時に昔(七五三?)染めたか、染めたのを見たことがある気がする。


日本語のタイトルはとても叙情的で綺麗だ。
難しいタイトルでも隣の英語訳を見るとわかってよかった。
若い頃から才能を発揮していた松園だったが、「序の舞」はかなり末期の作品と知り
驚く。なんとなく若いときに描いた作品かと思っていたな。