「こんなの、はじめて?」酒井順子

こんなの、はじめて?

こんなの、はじめて?


中年になってくると、思いのほか「はじめて」経験が増える。
おごられていたのが、おごる、叱られていたのが、叱るなど。
そんな彼女の週刊現代掲載のエッセイ集。

やはり彼女の本は面白い。
言葉遣いが本当にうまいし、目の付け所もポイントをついている。
そして年代が一緒なのか、いちいち親近感沸くし。

「容姿格差の時代」では、どの職業でも容姿の重要性が高まっていると説く。
スポーツ選手も可愛い子が増え、女子ゴルフも昔は「野武士」のような
存在感の女子が多かったが、今は実力もありへそだしも似合うカワイ子ちゃんが多い。
この「野武士」のたとえがあまりにうまくて笑ってしまった。


「贅沢」ビールのコマーシャルでのこともエッセイに載っている。
麻生久美子扮する女将に「苦手なものは?」と聞かれて、南朋ちゃん
「気の強い女性がちょっと・・・」と答えるもの。
コワモテ麿さんの息子がそんな軟弱なことを言っていていいのか?ということではなく
いまどき気が強くない女性がこの世に生息すると思っていることが何より驚きということらしい。
自分の周りは一人も気の強くない女性はおらず、そんな人ばかりの交友関係かと思い
ためしに友人達にも聞いたが、誰一人、気の弱い女はいないという結論に達したらしい。
自分に照らし合わせてみても、「確かに!」と納得。
女性達は気の弱い女のほうが好かれることがわかっているので
男性達の前では「気の弱い女」として、そのふりをしている「ニセ気の弱い女」と
著者はきっぱりと言っているが、まさにその通り。
著者もその振りをすることがあるが、すぐにばれるそうだが。