「天地明察」冲方丁

天地明察

天地明察


碁打ちの名門に生まれながら、日本独自の暦作りに一生を捧げた渋川春海の物語。

読んだ後に明るい未来が予感されるような勇気のわく話だ。
主人公もスーパーマンではなく、ぼんやりとして頼りなく、しかし興味のあることには
突き進んで、めげずに続けていく。途中挫折をしたり、哀しい出来事にあったりしながらも
やり遂げる姿に読んでいる人は元気をもらえる。


和算の祖「関孝和」の天才っぷりも見ていて楽しく、後輩で天才碁打ちの道策も
ひたむきに碁を愛し、なんとか春海を碁の世界に戻そうと必死にすがる姿も
なんとも可愛い。一番の萌えキャラだった。


最初の測量の旅にでたときに一緒にいた建部昌明、伊藤重孝の2人の老人が
なりより魅力的で嬉しい。彼らは純粋に好奇心に満ち、いくつになっても
学ぶことにひたむきだ。自分よりも年若い人に教えを請うことも厭わず、
素直に教えを請うのが素敵だ。むしろ若い先生は自分よりも先に死ぬことがなくていいと。
なんか大きくていいな〜。


水戸光圀など有名どころもたくさんでてきて楽しめる一冊だった。