「いつか読書する日」

坂の多い街で朝、牛乳配達をして、昼はスーパーのレジをする
独身の中年女性は地味で変化のない日々をすごしている。
だが３０年秘めた恋心を元同級生の男性に抱き続けている。
彼は末期がんの妻を看病しながら役所に勤めている。

高校時代に付き合っていたふたりは、お互いの両親に
不幸な出来事が会って以来疎遠になり、今に至る。
死期の近づく妻は彼等がいまだに惹かれあっていると思い
自分の死後は結ばれて欲しいという。

秘めた恋心を描くだけの作品かと思ったら
最後にあ然・・・・
あれでは救いがないような、あるような。
彼女はその後どんな風に生きていくのだろうか？

岸辺一徳扮する夫はとても優しい。
あれこれと自然体で妻の世話を焼いたりする。
彼はいろいろなドラマに出ている売れっ子俳優だが
彼を見るたびに、四郎とは顔も一緒なのに
どこがこの状況の差を作っているのだろうかと
不思議に思う。