「誘拐」五十嵐貴久

誘拐

誘拐


旅行会社に勤める孝介は、リストラを言い渡す係りだった。
ある日、彼がリストラを言い渡した元同僚が、一家心中を計る。
その同僚一家は娘が危篤状態で、夫婦は亡くなってしまう。
その娘と親友の孝介の娘はリストラした孝介のせいで
友人一家が心中したことに責任を感じて、自身も飛び降り自殺をしてしまう。
その後孝介も会社を辞めることにし、妻とも別れることになった。


日韓友好条約締結を控える首相佐山はめまぐるしい日々を送っていたが
溺愛する孫娘が誘拐されてしまう。
犯人は条約破棄を求め、韓国大統領来日を控え、都内に緊急配備された
たくさんの警官たちが身動きできない中で、少ない人数で誘拐事件にあたる警察。
手がかりらしい手がかりがないままに、大統領は来日する。
孫娘の命がかかっている佐山はいっそ条約破棄を言い出すが、
国益を考え側近に思いとどまらせられる。
やがて孫娘は無事に保護されたのだが・・
犯人の狙いは何か?
犯人はいったい誰なのか?
完全犯罪と思われたこの計画だったが・・・


バディーものかと思っていたら、そうではなかった。
一般市民でもこんな大きな犯罪を犯すなんて意外にありえるのだろうか?
最後のどんでん返しにはちょっと驚いて面白かった。
でも総理の孫娘が通う学校はそうとういい学校と思われるのに
旅行代理店で働く親を持つ子供達と一緒というのはちょっと違和感を感じた。