「ミレイ展」Bunkamuraザ・ミュージアム


色合いのとても美しく楽しい展覧会だった。
ミレイの描く絵はとても精密で、ステンドグラスやシルクタフタや
硝子のコップやら犬の毛並みにしてもすごく手触りがリアルに
感じられそうなほどだ。


水に沈むオフィーリアの絵ももちろん美しいが
それ以外の人物画も表情もポーズもよく
「マリアナ」も釘を刺して怪我をした幼いキリストと家族を
描く「大工の仕事場」にしても、小さな娘が始めて教会に行く
「初めての説教」でもとても魅力的だ。
彼の描く人物画の背景に草花が多用されているのも
華やかで美しく、さらにその人物を引き立てる。


子供を描いた絵も多く、どれも愛らしい。
それにしても白人の子供って本当に天使みたいだな。
女性達も色が白くて綺麗にチークを塗ったように
頬がばら色になっているし。
彼の娘がモデルの絵がいくつかあるのだが
幼い頃の絵と娘になってからの絵が顔が似ていて
すぐに本人とわかってなんだかうれしい。


人物画が魅力的すぎるのか、風景画はなんとなく地味で
物足りない印象だった。


それにしても渋谷でも松涛のあたりにいるおばさまは
すごくかっこいい人がちらちらといてちょっと嬉しく思った文化村だった。