「モードの方程式」 中野香織

モードの方程式

モードの方程式


ファッションの歴史やまつわる物語のエッセイ。
著者は服飾史家でケンブリッジに研究員としていたことも
あるらしく、イギリス事情も詳しくて面白い。


本はと言えば、「ハゲタカ」を見てスーツファッションに興味を
持ったのがこの本を手に取った始まりだったのだが、
服飾の知識や歴史も勉強できて面白かった。


サスペンダーに関して、あまり普段はお目にかからないが
ドラマで鷲津さんがしていたのが記憶に残る。
もとは足元が細くなったズボンのシルエットを
ベルトで崩さないようにズボンをつる意味で
使われていたらしいのだが、サスペンダーをするときは
つまりベルトはしないということ。
ドラマを見直してみたが、鷲津さんがベルトをしているかは
よくわからなかった。今度映画やドラマでも注意してみてみよう。


鏡ばかり見ているピカピカ男を「ミラーマン」というとか
中世の男の子達は半ズボン状の服を着るようになる5〜7歳くらいまで
女の子と同じドレスを着ていたなど興味深い。


シャツ出し禁止の根拠について述べられた章は面白い。
シャツは人目に触れてよいものとして作られているものの
公の場では人目に触れないことが前提になっているというややこしいアイテム。
なぜ公の場でシャツ姿で登場していけないのかというと
かつては下着だったからというのが理由らしいのだが、
昔のシャツは股が縫ってありかぶるタイプのものもあり
シャツの裾だしを禁止する理屈として「かつては股間を
覆っていた部分だから」という論理もありだと著者は記す。

なるほど〜。サッカーとかでシャツを出すのが
どうしてダメなのかずっと疑問に思っていたが
なんとなく理解できて嬉しい。