- 作者: 吉田修一
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/02
- メディア: 単行本
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耳の聞こえない響子と公園で出会い、
いつしか恋人同士になってから俊平は音やうるささが
やたらと気になるようになり、また音がないゆえに
すべてを言葉で伝えなくてはならない響子との
関係で、あらためて言葉というものを考える。
人間は言葉が大切というけれど、やはり言葉以外での
コミュニケーションというのはかなりあると気付く。
音が聞こえない世界では、目は見えても、視界に入るもの
以外は「気付く」ことができないので、当然のように
普段は「察する」ことができるものもできない。
言葉だけですべてを伝えていこうとすると
とてもあからさまな感じがするものなのだな。