- 作者: 江國香織
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/02/28
- メディア: 文庫
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江國香織が大好きな私だが相当久しぶりに読んだ気がする。
この本には知らない人の葬式にせっせと出かけるのが趣味の夫婦や
おしゃれな愛猫のノミに刺されて太ももが腫れまくり狂乱する女の子、
奥さんが実家に長期で帰っている詩人の男性の家に暮らす
女の子の話などが入っている短編集。
この前読んだ「星に落ちる」と同じような、相手に恋人や妻が
いるのに恋に落ちて一緒に住む話がここにもあって
しかもどちらの女の子も男性に強い思いを抱いている所や
やたらと出てくる人が恋愛体質で、恋愛至上主義というのが
なんだかおんなじ印象を受けてしまう。
江國香織のお話に出てくる女性達はだいたい男性に慈しまれ
大切に愛され、自分はちょっとわがままだったりするが許され
そしてこだわりを持っておしゃれで心地よい生活をする人ばかりで
それがうらやましいような、あこがれるような気分で読むのだが
今回の本は私好きするタイプではなくてちょっと残念。
特に愛猫のノミに刺されまくる話はちょっとしたホラー小説だ。
私の一番好きな「きらきらひかる」のその後の話が載っている。
睦月と笑子の夫婦はいまだに夫婦として生活しているのは
うれしいが、紺君と別れてしまったりしてちょっとショック。
睦月はその後新しい恋愛をしたりするのだろうか?
紺の新しい相手はハーフみたいなバイオリンを弾く若い男の子で
それはそれで素敵ではあるのだが。