「影踏み」横山秀夫

影踏み

影踏み


真壁は深夜の民家に忍び込み金品を盗む「ノビ」といわれる
忍び込みのプロだ。彼には双子の弟がいたが、同じ女性を
愛し、彼女が真壁を選んだ頃から、空き巣を重ねて警察に
追われるようになり、それを苦にした母親が家に火を放ち
弟を道連れに無理心中を計り、助けようとした父親ともに
亡くなってしまう。
生きたまま火に焼かれた弟は気付くと兄真壁の中耳に住み
何かと話しかけてくる。刑期を終え出所した真壁の
周りでは次々と事件が起こる。


弟は19歳で亡くなっているので、いつまでもそのままだ。
弟とはいえ、双子なのにすごく年下の弟のような扱いで
子供っぽくて純粋で可愛い男の子だ。数字を暗記する天才で
真壁の仕事に活躍したりする。時々拗ねたり落ち込んだりして
消えてるときがあるが、素直な優しい男の子だ。


兄の真壁も不本意な死に方をした弟がとても不憫で
愛しく思っており、保母をしている恋人の女性とも
彼女を弟と取り合った過去があるためかギクシャクしてしまう。


ふたりで事件を解決して行くのだが、最後はちょっと
切ない終わりが待っている。