「ヴェニスの商人」

ヴェニスの商人 [DVD]

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こんなユダヤ人をひどい目にあわせる映画で
抗議がなかったのか見ていてとても不思議に感じるくらい
ユダヤ人が可哀相に描かれている。


昔のヴェネチアでは、他のヨーロッパと同じくユダヤ人は
ゲットーに隔離され、土地を持つことも許されず、
ゲットーを出るのに赤い帽子の着用を義務付けられる。
なぜそんな屈辱的な扱いを受けなくてはいけないのか?
彼らは土地も持てないので、金貸し業などで生活を立てる。
だが、金利を取って金貸しをするということを
キリスト教徒たちに蔑まれていた。


ある日若きバッサーニオはある美しい富豪の女性に求婚するため
友人のアントニオに借金を頼むが、すべての財産を船で輸送中の彼は
手元のお金がないため、宿敵のユダヤ人シャイロックを紹介。
彼は利子を取らない代わりに、期限までに返済できなければ
保証人のアントニオの肉を1ポンドもらうという契約をする。
ところがアントニオの船は次々と難破し、財産を失ってしまう。
アントニオを憎んでいたシャイロックは証書どおりに
彼の肉を請求する訴えを起こす。


シャイロックは強欲で強情で疑り深い。
そんな彼が裁判所でみんなに説得されても聞く耳を持たずに
強引に自分の言い分を通そうとする。
ところが肉以外は一切取ってはならぬ、血は契約にはないからと
法学者に言われて、彼は急に立場が逆転して犯罪者扱いされ、
財産も半分に没収、そしてキリスト教徒に改宗までさせられてしまう。
なぜそこまで彼を痛めつける必要があるのか?


後でネットであらすじを読んでいたら、この話は
「シェークスピアの喜劇」として名高いらしいのでびっくり。
どっちかというと悲劇ではないか?
そしてヴェニスの商人というのはシャイロックではなく
アントニオを指しているというのに2度びっくり。


ユダヤ人は疑り深く頑固というイメージがあるが、
弾圧の歴史が彼らをそうしたのか、彼らがそうだから
弾圧されがちだったのか?