「噂」 荻原 浩

噂 (新潮文庫)

「女の子を殺して足を切る殺人魔レインマンはミリエルの香水をつけていると
狙われない・・・」そんな噂を口コミで販売戦略のために流した広告会社。
ところが噂が現実になり、足を切られた殺人事件が次々を起こる。
捜査に当たった刑事は、もと本庁だったが、自分から所轄に降りてきた小暮。
そしてパートナーは自分より年下で階級は上でしかも女性だった。

犯人は予想外のあまりに健全そうなひとだったので驚いた。
さえないおじさんの小暮が女子高生達にいいようにあしらわれながら
なんとかなだめすかし、それなりに仲良くなりながら、
操作を進めていく様は興味深い。
女子高生の機動力と情報収集能力のすごさは頼もしい限り。

なんとか事件の犯人が捕まりひと段落してからも、
もうひとどんでん返しがあり、そこがちょっと空恐ろしくもある。

とりあえず小暮くらいのおじさんてなんだか緩くてちょっと情けなくて
頼りになって無理がなくて居心地がいいなとずっと思って読んでいた。