「ラベンダーの咲く庭で」


イギリスの美しい田舎町に住む老姉妹が
ある日、海辺に打ち上げられた若い男性を発見し
家で介抱することになる。
彼は英語を喋らず、どういう素性なのか何があったのか
わからないまま一緒に暮らすことになっていく。
傷も癒え、街にも慣れてきつつある時に、
ヴァイオリンの名手であることがわかり、
音色に惹かれて謎の美女が庭に入ってきて・・


老姉妹の住む家は海を見渡せる小高い丘の上にあり
庭は美しく、そして海を眺める小さな展望台がある。
あんなところによりかかって、ぼんやりと海を見てみたい。


しっかりもののお手伝いの女性が通ってきて
身の回りの世話を焼いてくれるのだが、
あの家の経済状態はどうなっているのだろうか?
老後をあんなふうに暮らせるのは幸せだ。


拾われたポーランド人の男の子は姉妹にとっては
息子のような、恋人のような、ペットのような
存在だったのね。でも彼は息子でもなければ
ペットでも恋人でもなかった。
ちょっとほろにがな終わり方だったけれど、
後味は悪くなかった。