「押入れのちよ」 荻原浩

押入れのちよ
ちょっと怖い話の集まった短編集。

タイトルからして押入れのちよが全部出てくるのかと
思っていたが、それぞれは別の話で、しかも
和風な話ばかりではない。


戦後間もない中国で暮らすロシア人の女性と二人の娘の話や
憎みあう夫婦がお互いを殺そうと画策する話、はたまた
介護にかこつけていじめられていた義父母をいじめかえす嫁、
そして破格に安いアパートに出る女の子の幽霊。


ファンタジックな怖さと言うより、現実に大いにありそうな
ちょっとグロな恐ろしさを感じる物語が多かった。
読んでいてちょっとへこむものも多かったが、
最後に「しんちゃんの自転車」はちょっとだけほのぼのと
する終わり方なので、なんとかやりすごせる。