「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」

ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ デラックス版 [DVD]
稀代のチェリストジャクリーヌ・デュ・プレの短く波乱の人生を描く。


ヒラリーとジャクリーヌの姉妹はお互いが分身のように
仲がよく、小さなころから音楽に親しみ、
ヒラリーはフルートで、ジャクリーヌはチェロで
才能を発揮していくが、ジャクリーヌがめきめきと
頭角を現し、数々のコンクールに出ては賞賛を浴びる。


ジャクリーヌはチェリストとして演奏活動の旅に
追われる毎日を送り、音楽学校の学生になったヒラリーは
音楽を楽しめなくなっていたが、失意の日々に出会った
男性と結婚することになり、平凡な主婦となり
田舎の生活を送ることに。


一方のジャクリーヌはピアニストのバレンボイムと結婚して
世界中を演奏旅行で回る毎日だったが、
ある日コンサートをすっぽかしてヒラリーの家を訪ねる。
精神的に追い詰められていたジャクリーヌは
肉体的にも病魔に冒されていった。


とてつもない才能を持った女性はその方面での活躍よりも
平凡な幸せを求める傾向がある。現にジャクリーヌも
「別にチェロが好きなわけじゃないし、成り行きで
気がついたらこうなっていた」と言うわけだし。
でももちろんただの主婦にはなれない。


そして自分がちやほやされるのはひとえにチェロの才能により
自分個人を愛してくれる人がいないことにいつも怯えている。
いつも自分に自信がなくて、孤独だったのだろうし
色々なプレッシャーも多く、精神的にもダメージしやすかったのかも。


ジャッキーがバレンボイムを家族に紹介したときは
なんだかひもっぽい才能のなさそうなチャラいあんちゃんと
思ってみていたが、実はバレンボイムと後で知ってびっくり。
彼女が彼の気を引くために、パーティでいきなりチェロを弾く、
それに心を動かされた彼もピアノで即興で合わせて弾き出すと
いうシーンはアーティストに対する憧れを感じた。


チェロの曲も頻繁にかかり、ちゃんと聞いてみたくなった。
ピアノ曲ばかり聴いていた時代をすぎ、その後しばらくは
バイオリン曲ばかり聴いていたが、最近はまたピアノが
流行っている私の中で、今チェロが少しはやりそうな予感。


ジャクリーヌをジャックスと呼び、ヒラリーをヒルスと
お互い呼ぶシーンがあったが、あれはよくある愛称の呼び方
なのだろうか?


ジャッキーが後援者から名器ダヴィドフをもらい
その後はそれをずっと弾いていた彼女だが、
ダヴィドフは今はヨーヨー・マが持っているらしい。
ダヴィドフはストラディバリウスらしいが、前の所有者で
作曲家でチェリストのダヴィドフが使っていたから
ダヴィドフと言うのだろうか?
今後もずっとすばらしいチェリストにずっと引き継いでほしい。