「ベニスに死す」 ヴィスコンティ監督

ベニスに死す [DVD]
BSで特集をしているので、録画している「ルートヴィッヒ」を中断して
見始めた。


老齢の作曲家は静養のために訪れたベニスで、美しさの象徴というべき
少年と出会う。それ以来彼の姿を求めては一日中ベニスを歩き回り
リドのホテルのロビーでも視線をさまよわせている。


ベニスではコレラが蔓延していたが、市民達は観光客の減少を恐れて
伏せている。あちこちにある張り紙やら、やたらと撒かれている消毒液に
不審を募らせた作曲家はそのうち真実を知るが、自分も罹ってしまっていた。


最後のビーチのいすに座って終わるシーンは、彼の化粧が醜く汚れて
美しい少年との対比がいやでもされる。


この映画ではマーラーの曲が使われているが、主人公の老作曲家は
グスタフというのだが、これはやはりマーラーをかけているらしい。


美少年タジオは写真などで見るとたいしたことがないのだが、
動く映像としてみるととても妖艶で美しく魅力的になる。
彼は真っ当な役者として成長してほしかったが、大人になった彼は
ぱっとしない歌手になったかなんかだとか・・・・残念ね。


ヴィスコンティの映画に出てくる人は美男美女が多く、
映像も美しく今見ても古臭く感じられない。
タジオの兄弟の女の子たちがみなおそろいの格好をしていたり
とても美しく愛らしい。


ベニスへは海から入るのが正しい、それが表玄関だし、ベニスの美しさも
堪能できるとあったのは塩野七生だったろうか?
このグスタフが海からベニス入りしていたのを見て思い出した。