「姑獲鳥の夏」 京極夏彦

姑獲鳥の夏 (KODANSHA NOVELS)
図らずも京極道シリーズ第一弾だったこの作品。

榎木津探偵の元にやってきた女性の以来は妹の婿が密室から失踪し、
彼を探してほしいというもの。当の妹自身はそのとき妊娠3ヶ月だったが、
以来一年半もたつのに相変わらず妊娠したままという。医者のその家からは
赤ん坊がいなくなる事件も続き、妙なうわさも流れていた。


失踪した婿というのが、学生時代の友人藤牧で、今回のストリーテラーの関口も
事件に深くかかわっていく。以前藤牧に頼まれ恋文を奥さんになるこの女性に
届ける役割も頼まれたことがあり、そのことが妙に心にひっかかっている。


エノさんはちょっと前半出てきてかき回し、あとは京極堂が出てきて解決という
パターンで終わるのだが、今回はなかなか面白く感じた。

大好きなエノさんの出番がもっとあったほうが私的にはうれしいのだが、
いつになくまじめになるところが新鮮で、関君のことも「関口」とか呼んで
関口をどきっとさせたり。そんなエノさんが素敵です。
この話は以前、堤真一で映像化されたが、
意外に長瀬君がエノさんをやってみたら
面白いかもと読んでいて思った。全体的に若いキャストで。