「ひなた」 吉田修一

ひなた

ひなた


千葉のヤンキー一家出身で超有名ブランドの広報になぜか就職が決まり、仕事でしごかれているレイ、彼女の恋人で「女の子の部屋が嫌味なくらいに似合う」尚純、彼の兄浩一、その奥さんでやり手の編集者の桂子がそれぞれストーリーテラーになり、それぞれの季節での出来事を語る。


尚純と浩一は本当の兄弟ではなく、彼らの両親も仲良く今はバンコクに移住したりしているが過去に実は悲しい出来事があり、浩一と桂子も仲のいい夫婦然としているが、浩一は長いこと親友の田辺を思っている。


出てくる人々が無邪気で優しいのだが、表面ではわからないような何かを隠し持っている。特に尚純と浩一はとても健やかで可愛げのある男性で好感が持てる。この本好きだな〜。


でも一番心に残ったセリフは、レイの会社のお局女性の一言だ。「男はね、仕事できなくても会社にいられるけど、女は仕事ができないといられないから」なんだか目が覚めた思いがした。