「隠蔽捜査」 今野敏

隠蔽捜査
連続して起こった殺人事件の犯人の捜査線上に一人の警察官があがる。組織ぐるみで警察による隠蔽工作が開始されようとしていた。現場の捜査にあたっているのはおさななじみの伊丹。一方、霞ヶ関の本庁のキャリア官僚である竜崎は、息子の麻薬所持を見つけてしまい思い悩んでいた。


竜崎は堅物で家のことにもお構いなしの仕事人間なのだが、ただのイバリん坊親父かと思ったらそうではなく、警察庁の全体のことを考え、なにが正しいのか、どうすべきなのかをいつも真剣に考え、自分の正義感や息子の将来も考えて行動する立派な親父だった。自信に満ち溢れているように見えて、本当はおさななじみの伊丹のグループに子供時代にいじめられたことをいまだに根に持っている。一方の伊丹はあっけらかんとして、もちろんいじめたつもりもなく今に至る。


なんだかんだで二人の間には篤い友情が育まれていることに読んでいて救われる。


隠蔽の悪い例として国松長官の狙撃事件が出ていたが詳細を復習してこようっと。