「AI」 スピルバーグ監督

キューブリックの企画をスピルバーグが引き継いだ未来ロボット物。
温暖化により南極の氷が解け、世界の都市を海の下に沈み、地球は限られた資源と土地を分け合わなくてはならなくなる。出産制限もされた未来で、子供のいない家庭向けに開発された人工知能を持ち、愛されたいと願う子供のロボット。
不治の病で植物状態の息子を持つ夫婦の家に迎えられたロボットのデビッド（ハーレイ・ジョエル・オズメント）だが、息子が奇跡的に回復して家に戻ると家族をギクシャクしだして棄てられてしまう。

やはりハーレイ君の子犬のような瞳が、親達に母性本能を素直に抱かせるのを助けている。しゃべるぬいぐるみテディと一緒に旅をするが、ハーレイ君とテディベアは似合いすぎ。ロボット狩りにあってスクラップになりそうになったり、氷の中に一人っきりで閉じ込められたり、可哀相な目に散々と遭って涙をそそる。でも母に愛されたいという強い意志を持って果敢に戦い進む。

未来が氷河期のようになっていたのは、寒さもあってかなり暗くて淋しい気持ちになる。ナンパロボット役のジュード・ロウはおかしいようなカッコいいようなロボットを好演している。

さびれたゴーストタウンとなったマンハッタンの遠景にツインタワーが見えて、この映画はテロの前に作られ、この当時は未来にも廃屋となったツインタワーがあるはずと疑いもなく思われていたのだなとちょっと感慨深い。