「漂泊者 ながれもの」 風間一輝

漂泊者(ながれもの) (角川文庫)
八百長を強要したトレーナーを殺害し、時効になるまで私立探偵をしながら逃げている元ボクサーの室井。彼の元に依頼してきた教会の牧師南方は、教会敷地に障害者用の学校を建設しようとしたところ住民の反対にあった。住民運動の不自然さを感じ調査を進めるうちに、室井は暴力団の存在を感じる。だがどうしてもその暴力団の名前を特定できない不思議を感じるうちに出会ったのは、あるやくざの組長国文だった。彼は以前サハラの旅行中砂漠で遭難しそうになったところを室井に助けられた過去があり・・・

以前はそんなことをしそうもない普通の大学生だった国文が今はインテリヤクザになっていた。でも優男風でもあり、室井を慕い、一緒に調査を進める様子は可愛い。南方の教会で働く奈津は、もと看護婦で今はバーのママだが、しっかりもので美人。彼女は室井に惹かれて行くのだが、男性に都合のいい展開になっている。