「快楽の動詞」 山田詠美

快楽の動詞 (文春文庫)
作家の生態ならびにセックスについてのユーモアと言葉遊び集のような本。

「嫌い、嫌いも好きのうち」という言葉があるように、日本語では否定が必ずしも否定を意味しないことがある。セクハラという言葉が本当の意味での犯罪となかなか結びつかないのは、否定形の肯定という個人の領域で許される複雑な日本語の存在を誰もが知っているからというのは、なんか納得。

「ベットの創作」では、いくつかのベットシーンを、男性作家(村上龍風)風に写実的に描き、同じシーンを女性作家風(山田詠美風)観念的に情緒的に描き分ける。これが興味深く面白かった。やはり山田詠美風の描写は女性受けするよな〜と改めて思った。