「空色勾玉」荻原規子

空色勾玉
神々が地上を歩いていた太古の日本で、「闇」の一族と「輝」の一族が争っていた。平凡な村娘として養父母に育てられていた狭也は、憧れの「輝」の宮の采女として神殿に上がるが、同時に実は「闇」の一族の大切な巫女の「水の乙女」であることを知らされる。

神殿には、闇の一族にとって大切な剣が隠されており、それを見つけてしまった狭也は一緒にそれを守る巫女と出会う。彼女はなぜか手足をしばられていたが、実は輝の御子の稚羽矢だった。明るく永遠の命をもつ輝にあこがれる狭也、闇に興味のある稚羽矢の二人は神殿から脱出し、闇の一族に合流し、剣とともに戦乱の世を悩みながら駆け抜けていく。

最初はいまいち退屈で、しかも主人公の狭也がモテモテなのに嫉妬してか最後まで読み続けられるかと思ったが、美形好きの私は稚羽矢の登場で俄然興味がわいてきた。
稚羽矢は世間知らずでぼけており、しかもすごい美形で華奢な男の子だが、狭也と知り合ったいろいろな出来事に会い、いろいろな感情も覚えていくのが可愛い。

地上が二つに分かれて闘うことになったきっかけは国生みをした女神が火傷をして黄泉の国にお隠れになったが、男神は怒り悲しまれ女神を取り戻しに死の国に向かわれた。かわりはてた女神を見た男神は地上に逃げ帰り、通い路をふさぎ永遠に縁をきった。それ以来天上と地下に別れて憎み会うことになったというもの。この話のもとになった神話が最後まで思い出せないので、探したくなった。