「真夜中の五分前 side B」 本多孝好

双子の姉妹で一緒に旅行したスペインで列車事故にあい、僕の恋人かすみは亡くなり、もう一人のゆかりは生き残り、恋人であった尾崎と今は結婚している。だが日を追うにつれ、ゆかりは実はかすみだったのではと疑惑を持ち、尾崎はたまらなくなる。二人の関係はますますギクシャクする。双子の姉妹は外見はまったくそっくりで、記憶もゆかりのものと思われたが、時々まるでかすみかと思うようなシーンもあり、僕も混乱する。はたして彼女は・・

続き物を逆に読んだりするのは大嫌いなのに、図書館で先にこちらが届き、しかもなかなかside Aが届かないので仕方なく読んでしまった。
前のストーリーがわからないので、ちょっと不明なところもあったが、心配したほどではなく読めた。
主人公は会社を辞め、お客の入らないお店の再生事業を請け負う会社で働きかなりな成果を上げている。その会社はあるIT企業の社長野毛が道楽でやっているようなところで、まったくプレッシャーもないが、たまたま手がける物件が次々と当たり、順調に進んでいる。
事務所にはたいした仕事もなく雇われ、漫画家志望の青年のアルバイトがいる。たまに社長が訪ねてきて話をしていったりするが、なんとなくこの社長は気になる存在だった。

最後はこう終わるしかない終わり方だったな。